![](https://shinrankai.jp/wp-content/uploads/2017/12/page-voice-nico.jpg)
学んだ人の声
- 名前
- ニコラ・ガントさん
- 出身地
- イギリス
- 職業
- 翻訳業
- 性別
- 女性
二コラさんは、日本が大好きということですが、どうして日本に関心を持たれたのですか?
コンピューター関連の仕事をしていた父の影響もあり、私は4歳からパソコンで遊んでいました。音楽が何より好きな私は、小学生の頃、インターネットで日本の歌を初めて聞き、特にアニメソングの元気になれる歌詞とメロディーに、すっかり魅了されました。また、日本のアニメは内容がダントツに深く、知性的で、物の見方や考え方を成長させてくれます。日本のアニメとアニメソングが、日本が大好きになるきっかけでした。
大学時代は、日本に留学されたそうですね。どのような経緯があったのでしょうか?
テレビをつけると、世界で起きている戦争、人種差別、虐待など、おぞましい人間模様が報じられています。恨みや呪い、人間の汚い部分ばかりが見え、人生は悲しみや苦しみに満ちていると感じました。自分も、都合が悪くなった相手を邪魔者に思い、しかも、何事もないかのように平然と振る舞います。そんな醜い心に気づいたのです。
友達に悩みを打ち明けても、「暗いこと言わないで!」と相手にされません。誰にも理解されない心を抱えたままで、一体私はどうなってしまうのだろうと独り悩んでいました。
自分の心の寂しさ、醜さに悩み、中学校では様々な宗教を学びました。イギリス人のほとんどが信仰するキリスト教には矛盾と、差別的なものを感じ、とても受け入れられませんでした。
唯一、仏教の「因果応報」の教えには心引かれるものがあり、ロンドン大学では日本語を専攻し、大学3年生の時、両親の応援で、東京の大学に留学できたのです。
留学生活はどうでしたか?
日本人の礼儀正しさ、温かみのある人柄にホッとしました。旅行した京都では、寺院の建築美や町並みにうっとり。東京でももちろん、友だちと渋谷の繁華街で買い物、新宿の高層ビルを眺めて歩いたり、何もかも新鮮でした。
そんな留学生活を送る中で、仏教を学ばれるようになったのですね?
はい。ある日、ランチタイムに出会った女性から、仏教を学んでみないかと声をかけられました。仏教には関心がありましたし、聞くほどに理路整然とした教えと知らされ、続けて学ぶようになったのです。来日して6カ月目のことでした。
どのような点に魅力を感じましたか?
仏教を学ぶ大学の友だちと知り合うことができ、人生の疑問について納得いくまで語り合えたことが感動でした。みんなでカラオケや食事に行き、時間を忘れて楽しく過ごしたこともありましたが、何よりも仏教を学べることが最高の喜びでした。
10年ほど前の3月、初めて富山の親鸞会館に参詣したことも忘れられません。その時の内容は「真実の自己」がテーマでした。私が一人思い悩んでいた心を、お釈迦様はとっくの昔に見抜かれて、明るく照らし出してくださっているように感じ、うれしくなりました。
「自分さえ助かれば、他人はどうなってもよい」という自己中心的な人間の本性が芥川龍之介の『蜘蛛の糸』で描かれています。その主人公のカンダタは、まさに自分だと思いました。そんな悪の重い私を「必ず助けてみせる」と阿弥陀如来が約束されていることを、親鸞聖人の教えを学んで初めて知りました。それから、「もっと詳しくお聞きしたい」と思い、二千畳でたびたび聞かせていただくようになったのです。
仏教を学んでよかったことはなんですか?
「因果の道理」という仏教の大事な教えを学んで、時代や国によって変わらない道理が説かれていることに感動しました。その因果の道理にしたがって挨拶や笑顔に努めると、人間関係がよくなり、幸せになれるともお聞きして、もっと頑張ろうという向上心が起きました。
親鸞会で他に学んだことがあれば、教えてください。
仏教精神に基づいた礼儀や、整理整頓など日常生活の基本です。何かをしてもらって当たり前のことは1つもないと分かり、親や学校の先生、友だちから受けてきた恩を知らされ、心から感謝しています。
今後の抱負を聞かせてください。
この素晴らしい親鸞聖人の教えを、日本語の分からない英語圏の人たちと分かち合いたいと思っています。故郷のイギリスにも仏教を聞ける会館が建って、多くのイギリス人が教えを聞きに集まり、満堂になる日を夢見ています!