えっ!お盆って先祖が帰ってくる日じゃないの?
「お盆」は、法事や墓参りなど、仏事に触れることの多い季節です。この機会に、お盆とはどういうものか、また、先祖の恩に正しく報いる道を、分かりやすい動画で学びましょう。
「お盆」になると、「お盆休み」と称して、里帰りする人や旅行など、高速道路や新幹線、空港などの帰省ラッシュがよくニュースになっていますね。
夏の風物詩ともいえる、このお盆。「実家に帰省し、家族、友人や親戚一同がそろって墓参りをする」……そんなイメージを思い浮かべる人も、多いのではないでしょうか。
まずは、お盆について、分かりやすい動画で学んでみましょう。
お盆の本当の意味は?
お盆の起源をご存じでしょうか?実は、『仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)』から生まれたといわれています。
「ウラボン」とは、「倒懸(倒さに懸かれる者)」ということですから、『盂蘭盆経』とは、「倒さに懸かれる者を救う方法を教えた経」ということです。
私たちは、仏さまの眼からごらんになると、皆、逆立ちしている、と言われます。
奈良市の奈良公園で、首に矢のようなものが刺さったシカが見つかりました。痛々しいシカの姿が報道された時、それを見ながら「何とむごいことを」と顔をしかめていますが、同じ日に「鹿肉のバーベキュー店スタート」「牛肉よりも高タンパク・低カロリー」のニュースを見ると、今度は「おいしそう」と思えてきます。
ある男が表を通りかかると、道端の家で4、5人が自分の噂をしています。
“あの男は怒りっぽくて、それに手が早くてね。それが玉にキズだよ”
それを聞いたその男が、いきなりその家に飛び込んで、”なんでオレが短気で手が早いもんか”と怒りだし、集まっていた人たちの頭をポカポカと殴りつけたりします。
姑が、重い病気を患い入院。「そろそろだめかな」と思った嫁は、まだ生きている時から葬式の準備や遺産のことをあれこれと計算する。ところが姑は、ネジを巻き戻し、ご飯を食べられるまでに快復。「案外だった」と思っていた矢先、嫁のほうが重い病気を宣告され、あっという間に亡くなってしまう、という、笑うに笑えない実話もありました。
殺生の罪を造りながらその自分の姿が分からず、腹を立てながら怒りの炎が見えず、命の無常がわが身に迫っていることも忘れている私たちは、仏さまの眼からごらんになると、皆、考えが引っ繰り返った、逆立ちしている者なのです。
本来のお盆は仏法を聞く日
このように、私たちの考えが逆さに引っ繰り返っていますから、正しく進めず、迷い苦しんでしまいます。
そんな自分を心静かに見つめ直し、生きている目的を確認するのが、「お盆」の本当の意義なのです。
つまり、「お盆」は、亡き先祖を救う日ではなく、今現に “倒さに懸かって”ただ忙しい忙しいと迷走している、わが身を見つめ、正しい道を教えた仏教を聞いて、本当の幸せになるための日なのです。
現在の日本企業では、お盆休みとしてお盆の中日である8月14・15日を挟んで、前後3日~5日を休日にするというところが多く、お盆の週は1週間お盆休みという企業も珍しくなくなってきました。
「お盆休み」「お盆に帰省する」という今では当たり前の文化も、このような文化的な風習からきていたんですね。
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